
伝聞証拠とは何ですか。
| 最高裁判所の回答 | 簡単な例を挙げて説明しますと、甲という人が、被告人に不利益な供述を警察官にして、その内容について調書が作成され、被告人の公判廷に証拠として提出されたとしましょう。被告人が、もし、その甲の供述調書の内容には、甲の勘違いや思い違いなどがあると考えても、書面化された証拠に対しては、十分な反ばくをすることはできません。これに対し、甲が公判廷に証人として出廷するのであれば、仮に甲が供述調書と同内容の証言をしても、被告人は勘違いや思い違いなどがないかを甲に直接問い質して甲の証言の信用性を吟味することができます。このように、公判廷で証人に対して直接尋問(反対尋問)する権利を保障するため、刑事訴訟法は、それを証拠とすることの同意がない限り、調書などの供述内容を書面化したものや、自分が直接見聞きした事柄でなく、他人から間接的に聞いたことに関する供述(これらを伝聞証拠と言います。)を証拠とすることを、原則として禁止しています。 |
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| 当事務所による解説 | 刑事裁判で最も防がなければならないことは、間違った事実認定に基づき、無罪であるべき者が有罪とされてしまうことです。
裁判において、「被告人が○○を盗むのを見た」とか「被告人はその日犯行現場にはいなかった」など、人の話(供述証拠)は有罪・無罪を判断する上でとても重要な証拠となります。そして、人の話は①あることを見聞きし②それを記憶し③実際に口に出して表現する、という過程を経て他人に伝わります。しかし、この過程には見間違い、記憶違い、言い間違いなど、誤りが入り込む可能性がとても大きいのです。この誤りに裁判官が気付かないまま事実を認定してしまい、被告人が有罪とされてしまっては大変です。 したがって、憲法および刑事訴訟法上、被告人には、話をする人(証人等)に対し、その供述が正確なものか確かめる機会が与えられることになっています。 しかし、例えば人の話が書面に記載されて裁判所に提出された場合は、その人の話が正確なのか確かめる術はありません。また、証人のAさんが「Bさんは『被告人が被害者を刺すのを見た』と言っていました」と裁判所で供述した場合、Bさんがの供述が正確なものかは、Bさんが裁判所内にいない以上、確かめることはできません。これらの証拠を用いることは、裁判官に間違った事実認定をさせ、誤った判決をさせるおそれがありますから、用いることが禁止されます。 このように、その正確性を確かめることができない供述証拠の使用を禁止するのが、伝聞法則です。 ただし、被告人が同意すれば、伝聞証拠も証拠として使用することができます。また、その他にも例外的に伝聞証拠を使用することができる場合が刑事訴訟法で定められています。 |







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