
当ページをご覧くださってありがとうございます。 ここでは、刑事事件を乗り切るためのメッセージを1つだけお伝えしたいと思います。 わたしの人生から得た1つのメッセージです。
自分を信頼してくれる人の味方であり続けること
わたしは、実の弟が無実の罪で逮捕されたことがあります。 結果は、当然に不起訴となりました。 しかし、最初に逮捕されたと聞いたとき、わたしは彼の有罪を疑いました。 今思い出しても苦い経験のひとつです。
両親だけが一貫して彼の無罪を確信していました。 そして、彼を助けるために行動しました。 私選弁護人を選任し、弁護士を通じて彼と連絡を取り、家族が後ろ盾であることを伝えました。 あなたは一人ではないというメッセージを伝えたのです。
逮捕された状態での取調べは過酷です。 留置所から取調室までは手錠と腰縄が付けられた状態で移動し、密閉された取調室の中で延々と怒鳴られ、罵られ、取調べを受けなくてはなりません。 しかし、何よりも辛いのは孤独です。 家族や友人が自分のことを見放してしまったのではないかという疑念が、諦めにつながり、冤罪を生み出すのです。
暑い夏の日の夕方でした。 逮捕から23日を経て、弟は解放されました。 警察署から出てきた彼は、以前よりも一回り痩せていましたが、迎えにいったわたしと目が合うと、安堵と喜びが混じった表情で笑いました。 その笑顔を見て、わたしは家族が信じあうことの大切さをかみ締めました。
「人質司法」という言葉をご存知でしょうか。 日本の刑事裁判では、取調官が作成する自白調書が偏重されています。 そのため、取調官は被疑者の身柄を拘束して、とにかく自白を得ようと奮闘するのです。 ―自白をすれば、すぐに終わるぞ― これが日本の刑事司法の現状なのです。
逮捕された人が、牢屋の中で、取調室の中でなにを思うのか。 彼らは、心のどこかで家族や仲間が助けてくれると信じています。 味方の声が届くのを待っています。 とすれば、残されたわたし達としては、事件の真相がどうであれ、その気持ちに応える必要があるとわたしは思います。 有罪も無罪も関係ない、ここで大切なのは最後まで味方をしてくれる人は誰なのかという問題なのです。
自分のことを信じてくれている人のことを信じ返すこと。 自分のことを頼りにしてくれている人のために行動すること。
われわれ刑事弁護人は、「犯罪の疑いをかけられている人」の絶対の味方です。 何人も、法律で定められた適正な手続により有罪の判決が確定するまでは、「犯罪者」ではありません。
わたしは、「犯罪の疑いをかけられている人」と「犯罪者」とを混同する捜査機関の横暴を阻止し、裁判官に真実を訴えて、あの時あの場所で起こった事件の真相をカタチにします。








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